民法改正と瑕疵担保責任

民法改正と瑕疵担保責任

MARCH.18.2020

 20204月。約120年ぶりとなる民法の大改正が行われます。実は民法の債権関係の規定については、明治29年の制定以来、実質的な見直しがほとんど行われてきませんでした。

 

今回の改正では、①判例の蓄積を取り入れる、②わかりやすい文言にする、③社会経済の変化に対応する、④国際的な取引ルールとの整合性を図るといった点が焦点となります。

 

不動産の売買に関わる一番大きな改正点は、「瑕疵担保責任」に関する変更になるでしょう。

現在「瑕疵担保責任」と呼ばれている制度に関しては来月以降、「契約不適合責任」という名前で呼ばれることとなります。

一体何が違うのでしょうか?

 

そもそも、「瑕疵担保責任」とは具体的にどのようなものなのでしょう。

 

瑕疵担保責任とは、不動産を購入した際に、買った時点では明らかになっていない不具合(隠れたる瑕疵)があった場合、売主が買主に対して契約解除や損害賠償などの責任を負うことを言います。

この場合の隠れたる瑕疵とは、売主が注意を払っていたとしても発見できなかった不具合のことを言います。

これによって、中古物件であったとしても買主は安心して購入することが出来るというものです。

 

しかしながらこれは「隠れたる瑕疵」があった場合ですので、買主が知っていた場合は買主が原則的に請求できないという点がありました。

例えば、雨漏りしていることは聞いていたうえで買ったが、それほどひどいものとは思っていなかったのに、蓋を開けてみたら全く住める状態ではなかった場合。

売主に責任追及をしようとも、「知っていて買ったよね?」と責任を逃れられてしまう場合が従来ありました。(あくまで原則として)

 

 

 

そこで、改正民法は、不動産のような特定物の売買契約であっても、売主は単に現況で引き渡すだけでなく、「契約の内容に適合した物件」を引き渡す契約上の債務を負うという考え方を前提に、物件に欠陥があれば売主は「債務不履行責任」を負うという規律に改めました。

 

つまりどういうことかというと、「隠れた」瑕疵であるかどうかは焦点ではなく、きちんと売主と買主が合意した物件の品質かどうか、という点が焦点となるということです。

 

前述の雨漏りの例であれば、雨漏りの程度や雨漏りしている物件の状態をきちんと両者で合意していることが必要となります。

具体的には、「物件状況報告書」や「売買契約書の特約」に詳しい状況を記載するような対応が必要になってくるでしょう。

 

物件を売る側の品質に対する説明責任がより一層重くなったとも言えますね。

 

また、万が一契約の内容に適合しないものがあれば、買主は①追加補修の請求、②代金の減額請求、③損害賠償請求、④契約の解除をすることができます。

 

基本的に従来は③と④しか認められていなかったため、より売主に責任追及をしやすくなったといえるでしょう。

 

 

 

  

時代が変われば法律も変わります。

今回の民法大改正によって、瑕疵担保責任以外にも細かく変わった部分はたくさんあります。

是非不動産を売る、買うことを検討される際は、法律の改正にも関心を持ってみてはいかがでしょうか。

 

(今回のコラムの内容に関しては、「公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会」発行の「民法改正に係る契約書改訂ポイントガイドブック」を元にしております)

コラム執筆者の紹介

小瀬 真奈海総務部 係長

10歳から10年以上バドミントンをやっていて全国大会への出場経験もあり、学生時代はスポーツ少女。
最近はデスクワークのせいか運動不足気味で万年ダイエッターとなりつつあります。

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